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名誉院長のコメント

野口クリニックを開設した名誉院長のコメント

1987年2月、ここ鷺沼の地に開院して以来、治療の理念として、人の持つ「自然治癒力」、時間の持つ「やさしさ」を信じて医療に取り組んでまいりました。
この間世の中の仕組みは、ますます複雑になり、それにつれて人間関係も職場の仕組みも家族の関係も込入ってきました。
 しかし、人の心は脆いもので、ちょっとした刺激でかき乱され、時には身体の具合すら悪くなります。この種の刺激をストレスと呼びますが、心の病とはストレスによって、本来、自分の持ち物であるはずの自分の心を、コントロールできなくなってしまう状態だとも言えるかもしれません。たとえば、精神的には不安、あせり、落ち込み、自信喪失、身体的には、下痢、便秘、動悸、肩こり等々といった症状で、悩まされることになります。
 とはいっても、私たちは誰もストレスから逃げ出すことはできません。心身の健康とは、ストレスがないことではなく、上手に付き合っていけることです。
 人と他の動物との違いは、人は心の中にあること(重大な悩みとか葛藤等)を、とにかく言葉にして、節目節目をくぐり抜けていく点にあります。そして、その言葉を、誰かに受け止めてもらうことが必要です。誰かに共感してもらったり、うまいアドバイスを受けられれば、もっといいかもしれません。
 私たち精神科医の役割のひとつは、悩める人、病む人から発せられる言葉の、受け手になることです。
 こうして考えてみますと、お互いひとりひとりが、病んだ心の癒し手になれそうな気がしますし、又、日頃からお互いが助け合えるような人間関係の中にいられたら、きっとおだやかな日々をすごせるにちがいありません。

ご家族の方へ
 ご家族の方も、治療チームの一員として治療に参加しているのです。病を治す道程においては患者さんだけでなく、身の回りの世話をなさったり、対応なさるご家族の方も消耗してしまいます。
 自分自身の休息をとることや、他人からの援助を受けることも必要な治療環境のひとつです。あらゆる人の内に存在する「自然治癒力」と「時間のやさしさ」を信じることを治療の原点におきたいと考えています。

 

[前院長(名誉院長)のこの思いがあったからこそ、地域の皆様に当クリニックが受け入れられ、30年以上に渡りこの地に根を張ることができたと思います。ますます地域の皆さまのお役に立てるよう、この思いを胸にスタッフ一丸となって地域の精神福祉のために働かせていただきたいと思っています。(西山)]

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